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2022/10/9
事業再構築補助金 第8回公募の変更点
事業再構築補助金の第8回公募の公募要領が公開されました。今回は事業再構築補助金の概要と第7回公募からの変更点について解説します。
事業再構築補助金とは?
「事業再構築補助金」とは、ポストコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の事業再構築を支援し、日本経済の構造転換を目的とした補助金制度です。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けて、事業環境が悪化した中小企業等が、ポストコロナ時代を見据えた事業再構築を図るために必要な費用について補助を受けることができます。
この補助金のいう「事業再構築」とは、「新分野展開」、「事業転換」、「業種転換」、「業態転換」又は「事業再編」の5つを指します。「事業再構築補助金」に申請するためには、これら5つのうち、いずれかの類型に該当する事業計画を認定支援機関と策定することが必要となります。
事業再構築補助金 第8回公募の公募期間
第8回公募の公募期間は次のとおりです。
公募開始:2022年10月 3日(月)
申請受付:未定
応募締切:2023年1月13日(金)18時
事業再構築補助金の種類
事業再構築補助金では、要件の違いに応じて申請枠が設けられています。
第8回公募では、次の6つの申請枠が設けられていますので、それぞれの要件にあった申請をすることをおすすめします。申請枠は第7回公募から変更ありません。
種類 | 補助金額 | 補助率 |
①通常枠 | 【従業員数~20人】 ・100万円~2,000万円 【従業員数21人~50人】 ・100万円~4,000万円 【従業員数51人~100人以下】 ・100万円~6,000万円 【従業員数101人~】 ・100万円~8,000万円 |
中小企業者等 2/3 (6,000万円超は1/2) 中堅企業等 1/2 (4,000万円超は1/3) |
②大規模賃金引上枠 | 【従業員数101人~】 ・8,000万円~1億円 |
中小企業者等 2/3 (6,000万円超は1/2) 中堅企業等 1/2 (4,000万円超は1/3) |
③回復・再生応援枠 | 【従業員数~5人】 ・100万円~500万円 【従業員数6人~20人】 ・100万円~1,000万円 【従業員数21人~】 ・100万円~1,500万円 |
中小企業者等 3/4 中堅企業等 2/3 |
④最低賃金枠 | 【従業員数~5人】 ・100万円~500万円 【従業員数6人~20人】 ・100万円~1,000万円 【従業員数21人~】 ・100万円~1,500万円 |
中小企業者等 3/4 中堅企業等 2/3 |
⑤グリーン成長枠 | 中小企業等 ・100万円~1億円 中堅企業等 ・100万円~1.5億円 |
中小企業者等 1/2 中堅企業等 1/3 |
⑥原油価格・物価高騰等緊急対策枠 (緊急対策枠) |
【従業員数~5人】 ・100万円~1,000万円 【従業員数6人~20人】 ・100万円~2,000万円 【従業員数21人~50人】 ・100万円~3,000万円 【従業員数51人~】 ・100万円~4,000万円 |
中小企業者等 3/4※ 中堅企業等 2/3※ ※従業員数による変動あり |
補助対象
通常枠の場合、次のすべての要件を満たした中小企業者等及び中堅企業等が対象となります。
1.売上高減少要件
2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月間の合計売上高が、コロナ以前(2019年または、2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。
※売上に代えて付加価値額が15%減少している場合も申請可。
2.事業再構築要件
「新分野展開」、「事業転換」、「業種転換」、「業態転換」又は「事業再編」のいずれかの事業再構築を行うこと
3.認定支援機関要件
認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること
(関連記事)経営革新認定支援機関とは?その役割やメリットは?
4.付加価値額要件
事業終了後3~5年で、付加価値額の年率平均3.0%以上、または、従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上の増加を見込む事業計画を策定すること。
第7回公募からの変更点
最低賃金枠の要件見直し
「最低賃金枠」の要件が見直しされました。最低賃金引上げの影響を強く受ける事業者の再構築を強力に支援するため、最賃売上高等減少要件等の緩和が行われています。
①最賃売上高等減少要件の撤廃
『2020年4月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少していること(または付加価値額が45%以上減少していること)』という最賃売上高等減少要件が撤廃されました。
これにより、最低賃金枠も売上高に関する要件は、通常枠の売上高減少要件のみとなります。
②最低賃金要件
最低賃金要件の対象期間が変更されました。
(改正後の最低賃金要件)
2021年10月から2022年8月までの間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること
③製品等の新規性要件
製品等の新規性要件のうち、「製造等に用いる主要な設備を変更すること」は任意要件とされました。
緊急対策枠は2021年以降開業でも補助対象に
公募要領に、緊急対策枠では2021年以降に開業した場合でも補助対象になる可能性があることが明記されました。
公募要領 P16より抜粋
『緊急対策枠は、売上高等減少要件の代わりに緊急対策要件を課しており、2022年と2021年の売上高を比較して緊急対策要件を満たす場合は、2021年以降に創業した事業者も補助対象になり得ます。』
まとめ
事業再構築補助金の概要と第8回からの変更点について解説しました。第8回公募では、採択率の高い最低賃金枠の要件が大きく緩和されていますので、適用できるかどうかを検討してみるとよいでしょう。