補助金最新情報
2022/9/24
IT導入補助金2022とは?概要や補助対象を解説
業務の無駄を省き、効率や生産性を向上させることは、企業にとって非常に大切なことです。人員配置の見直しや非効率な業務の洗い出しなど、効率化の手段は複数ありますが、ITツールの活用も手段の1つとなります。
働き方改革においても、Web会議システムや仮想デスクトップなどのITツールを活用したリモートワークの実施が注目されており、業務の効率化においてもITツールの導入は必須となっています。
当記事では、ITツール導入の際に利用できるIT導入補助金の概要や対象などについて、解説を行っているため、ITツールによる業務効率化を考えている企業担当者や個人事業主はぜひ参考にしてください。
IT導入補助金とは
IT導入補助金は、中小企業や個人事業主が業務効率化のために、ITツールを導入した際に一定の割合で対象経費を補助する制度で、正式な名称はサービス等生産性向上IT導入支援事業となります。経済産業省と独立行政法人中小企業基盤整備機構の監修のもとで、一般社団法人サービスデザイン推進協議会が実施する制度です。
IT導入補助金は、資金力に乏しい中小企業や個人事業主のIT化による業務効率化を後押ししてくれる心強い制度となっています。しかしどのような種類のITツールでも対象となるわけでなく、申請枠も複数存在しているため、次から詳しく解説します。
IT導入補助金の申請枠
申請枠は「通常枠A類型」「通常枠B類型」「デジタル化基盤導入類型」「複数社連携IT導入類型」「セキュリティ対策推進枠」の5つがあります。5つの申請枠それぞれで補助対象や補助額、補助率が異なるため、導入するITツールが対象となるか確認した上で申請を行いましょう。
通常枠A類型
補助額 | 30万円~150万円未満 |
補助率 | 2分の1以内 |
補助対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用料(1年分)、導入関連費 |
通常枠B類型
補助額 | 150万円~450万円以下 |
補助率 | 2分の1以内 |
補助対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用料(1年分)、導入関連費 |
デジタル化基盤導入類型
会計・受発注・決済・ECソフト | PC・タブレット等 | レジ・券売機等 | ||
補助額 | 5万円~50万円以下 | 50万円超~350万円 | ~10万円 | ~20万円 |
補助率 | 4分の3以内 | 3分の2以内 | 2分の1以内 | |
補助対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費、ハードウェア購入費 |
複数社連携IT導入類型
補助額 | 1. デジタル化基盤導入類型と同様の額
2. 消費動向等分析経費(1以外の経費) 50万円×参画事業者数補助上限:1+2で3,000万円 3. 事務費・専門家費:補助上限200万円 |
補助率 | 1はデジタル化基盤導入類型と同様、2・3は3分2以内 |
補助対象経費 | デジタル化基盤導入類型と同様 |
セキュリティ対策推進枠
補助額 | 5万円~100万円 |
補助率 | 2分の1以内 |
補助対象経費 | サイバーセキュリティサービス利用料(最大2年分) |
サイバーセキュリティサービス利用料は、独立行政法人情報処理推進機構に掲載されたサービスのみが対象となり、以下のようなサービスが利用可能です。
- 商工会議所サイバーセキュリティお助け隊サービス(大阪商工会議所)
- PCセキュリティみまもりパック(株式会社PFU)
- ランサムガード(株式会社アイティフォー)
- マイセキュアビジネス(NTTコミュニケーションズ株式会社)
- アクロネットサイバーセキュリティサービス(株式会社アクロネット)
全国を対象としたサービスが多いですが、対象地域を限定したサービスもあるため、申請の際には注意が必要です。
IT導入補助金の申請要件
IT導入補助金を申請するには、以下の要件を満たす必要があります。
・申請の時点で、日本国内における事業を行う法人又は小規模事業者(個人事業主含む)であること
・申請直近の月において、地域別最低賃金以上の賃金を支払っていること
・gBizIDプライムを取得していること
・「SECURITY ACTION」を宣言し、申請情報の共有に同意すること
・必要書類を提出できること
・SMSが利用可能な携帯電話番号の登録ができること
・労働生産性の伸び率の向上について、一定の数値目標を設定すること
・生産性向上に係る情報(売上、給与、就業時間等)を事務局に報告すること
・事務局に提出した情報を事務局、国及び中小機構が、一定の目的で利用することに同意すること
・事例の調査協力については、特段の事情がない限り協力をすること
・申請に掛かるIDやパスワード等のログイン情報を第三者に渡さないこと
・訴訟や法令遵守上において、補助事業の遂行に支障をきたすような問題を抱えていないこと。
・中小機構が実施する補助事業において、不正行為を行っておらず、今後も行わないこと
・事務局及び中小機構の立ち入り調査に協力すること
項目が多いので難しく感じますが、最も重要なポイントは「そのITツールを活用して、生産性を向上する計画を策定すること」です。
通常枠B類型の場合は、上記の要件に加えて、一定以上の賃上げ等を含む3年の事業計画を策定し、従業員に表明していることが必要です。(小規模事業者や医療機関、薬局等を除く)また申請の要件を満たしていても、発行済み株式総数の2分の1以上を大企業が保有する中小企業や小規模事業者等一定の場合には、申請の対象外となります。
参考:一般社団法人サービスデザイン推進協議会「補助対象について」
https://www.it-hojo.jp/applicant/subsidized-works.html
IT導入補助金を活用したいときはどうすればよい?
一般的な補助金は、補助金を受けようとする者が申請書類を作成して応募しますが、このIT導入補助金については利用したいITツールを提供するシステムベンダー等(IT導入支援事業者)と共同で申請する必要があります。
そのため、導入したいITツールがあるときは、まず、IT導入補助金のホームページで、そのツールがIT導入補助金の対象となっているかを確認する必要があります。IT導入補助金の対象となっていない場合は、残念ながらIT導入補助金を使ってそのITツールを導入することはできません。
対象となっている場合はそのサービスを提供するシステムベンダー等(IT導入支援事業者)に問い合わせをして、共同で申請の準備を行っていくことになります。
まとめ
当記事では、IT導入補助金の概要や補助対象について解説を行ってきました。
IT導入補助金は、2023年10月のインボイス制度開始への対応を検討している企業や個人事業主にとっては心強い制度ですが、審査があり必ずしも採択されるものではありません。不採択であったとしても、次の再度応募することができますから、できるだけ早い回の公募に申請するとよいでしょう。